*APSARAについて
APSARA(アプサラ)は、クメール語(カンボジア語)で「天女」のこと。
アンコールワットのレリーフには、シルクの絵絣をまとったアプサラが多く描かれています。
元々手織りシルクは、カンボジアの伝統文化産業でしたが、20年以上に及ぶ内戦により、桑畑も養蚕業もなくなり、技術の伝承が難しくほとんどが途絶えてしまいました。支援先であるカンダール州の村は、貧しいながらも途絶えかけた手織りシルクを自分たちの力で復興しようとしていました。
私は、2006年にカンボジア・ミャンマー・スリランカの孤児院を支援していたNPOのボランティア活動に参加させていただき、この手織りシルクの村とのご縁を頂きました。
2009年4月より特定非営利活動法人ShienTokyo(シエントウキョウ)として、カンボジアの手織りシルクの村の自立支援活動を開始。半年に一度村を訪れ、シルク反を買上げオーダーをする(課題)ことで、地道に染め・織の技術向上をサポートしてまいりました。
10年前、日本橋の老舗百貨店で販売の仕事をしていた私には、この村で織られた手織りシルクの印象は、残念なことに「粗悪なシルク」でした。しかし、翌年シュムリアップにある伝統クメール織物研究所(IKTT)と出会えたことで、カンボジアの伝統の手織りシルク(クメールシルク)の素晴らしさを知ることが出来ました。そして、IKTTのご協力を得て、織手が自分たちの布が織れるよう、シルク服の開発と共に歩みを続け、2016年には、「APSARA」として手織り手作りの服を打ち出せるようになりました。
APSARAのアイテムをお使いいただくことは、手織りシルクの村の自立支援に繋がっています!
日本では、持ち帰った手織りシルクを生かした衣服の開発を行ない、市やチャリティーイベント、展示会などで直接対面販売し、ご協力いただいた方々からご意見をいただくことで、出来る改善を重ねてまいりました。NPOとしての自立支援活動ですが、助成金等に頼らず、服や小物を制作してご協力いただき活動を継続して来られたことも、この改善の大きな助けになっています。
*手織りシルクの魅力
カンボジアのシルクは、カンボウジュという黄金の繭で、「ゴールデンシルク」又は「クメールシルク」と呼ばれています。
手織りシルクは、工業製品と異なり、織ムラ・織キズ・ネップなどがあり、量産には向きませんが、均一に整った工業製品には無い、味わい深い魅力を持っています。
手織りシルクは、全く同じ布を織ることは出来ません。
蚕の吐く糸は、食べ物や環境によって異なり、「紡ぐ」「染める」「織る」の工程は、人の手、作法、加減によって異なるからです。
生糸を染めてから織りますので、縦糸・緯糸の色の組み合わせで、玉虫のような美しい色合いが生まれます。
シルクは、生きている蛋白質繊維ですので、着ていくうちに変化していきます。変化を楽しみ、大切に着ていただけましたら幸いです。
*仕立て
シルクは、水洗い→干す→アイロン→放反した後に裁断しますので、ほとんどのアイテムは、水洗い(手洗い)が出来ます。
APSARAでは、「衣服は大薬」と言われたように、衣服が、自身を守る大切な存在であることをお伝えすると共に、「心地よく健やかに過ごしていただけますように…」という思いを込め、手織りシルクを、一点一点丁寧に仕立て、ご提案しています。
セミオーダー対応も出来ますので、contactからお問い合わせいただけますようお願いいたします。
*シルクの効能
・生体親和性:人の肌とほぼ同じ蛋白質、最もアレルギーを起こしにくい。
・UVカット
・静菌性:菌を殺さず、増やしもしない。
・保湿性・放湿性・速乾性・保温性に優れている為、夏涼しく、冬暖かい。
・安全性:燃焼温度300℃以上、10%程度の水分量を保有、帯電しにくく衣服として安全。